須藤真澄。漫画家。
大変ファンタジックな、不思議な世界を持った作品を多く描いています。
不思議な世界なのですが、私たちの回りとそっくりな世界でもあり、
日常漫画のような顔をして私たちに近付いて、
急に何もかもひっくり返したり(ひっくり返すふりをしたり)します。
ジャンルでいうなら、
SFをほんのり含んだファンタジーといったところでしょうか。
短篇が多いのですが、(というより、ほとんど短篇なのですが)
その切り口が一番須藤さんを主張していると思います。
日常のとらえ方、その中で切りとられたファンタジーの切り口に、
私は大変引かれるようになりました。
大変な愛猫家としても知られていて、 愛猫「ゆず」との日々を綴った漫画「ゆず」「ゆずとまま」が、 一番メジャーになっているのかも知れません。 ご近所で一番けんかの弱い「ゆず」がとてもかわいい、 いわゆる「動物もの」に分類されるのですが、 ここでも彼女らしさはほのかに現れています。 「猫は狩りをするようにできている」話や、 「猫の目で見た街並」の話などをおり混ぜて、 いわゆる「動物もの」が陥りやすい 「うちの○○ちゃんったらもうかわいくって〜」の世界とは 少しはなれたスタンスを取っています。
最近人気が出てきたのか、昔の単行本が軒並「メーカー品切れ」になっていて、 入手が非常に困難な作品があるのが残念です。 (もともとメジャーな人ではないので、 昔の本は出版社もマイナーです。とほほ。) 私も「再版まで4か月待ち」みたいなことを言われました。