Motoko Arai

暖かな語り口

新井 素子(あらいもとこ)


新井素子。作家。

昭和35年、8月8日、東京に生まれる。
昭和52年、高校2年の時、第1回奇想天外SF新人賞に応募、 佳作入選(「あたしの中の……」)。小説を発表し始める。
昭和56年「グリーン・レクイエム」、 昭和57年「ネプチューン」で2度の星雲賞日本短篇部門受賞。

このような略歴にも表れる通り、SF作家として多くの作品がありますが、 近年はSFのみに留まらず、モダンホラー等の分野でも作品を発表しています。
その文体は、「新井素子体」とも言えるような、 体言止めを多用した会話体であり、軽く、優しいものがあります。
テーマや、主人公たちがおかれた状況が、 あまりに哀しかったり、恐ろしかったりしても、 小説を読み終ると、何か心に暖かいものを感じるのは、 文体のみの力ではなく、彼女の人を見る目によるのでしょうか。
私の一押しは、「緑幻想(グリーン・レクイエム2)」です。
「ひとめあなたに……」「ネプチューン」といった作品も気に入っています。 「週に一度のお食事を」のような軽い話は、 あまりに軽くなり過ぎてしまう感があって、あまり好きではないのですが、 まあこれは人によるでしょう。
著作一覧を見てみると、まだまだ読んでいないものが多く、 とてもこの著者を評価するほどではないのですが、 今のような理由で、読む本を選んだ方が良いのではないでしょうか。 当たり外れがあるような気がします。 とりあえず私は、評判の高かったもの数点を購入するに終っています。

著作一覧

文庫本だけですが、一覧を作ってみました。
作品名出版社
あたしの中の……集英社コバルト文庫
いつか猫になる日まで集英社コバルト文庫
グリーン・レクイエム講談社文庫
星へ行く船
(星へ行く船シリーズ1)
集英社コバルト文庫
ひとめあなたに……角川文庫
通りすがりのレイディ
(星へ行く船シリーズ2)
集英社コバルト文庫
扉を開けて集英社コバルト文庫
ラビリンス-迷宮-徳間文庫
カレンダー・ガール
(星へ行く船シリーズ3)
集英社コバルト文庫
二分割幽霊綺譚講談社文庫
……絶句(上・下)ハヤカワ文庫
ブラック・キャット1
(ブラック・キャットシリーズ1)
集英社コバルト文庫
あなたにここにいて欲しい講談社文庫
ナイト・フォーク
(ブラック・キャットシリーズ2)
集英社コバルト文庫
ディアナ・ディア・ディアストクマ・ノベルズ
結婚物語(上・中・下)角川文庫
新婚物語(1・2・3)角川文庫
逆怨みのネメシス
(星へ行く船シリーズ4)
集英社コバルト文庫
そして、星へ行く船
(星へ行く船シリーズ完結編)
集英社コバルト文庫
今はもういないあたしへ……ハヤカワ文庫
緑幻想講談社文庫
季節のお話
(絵本)
徳間書店
ふたりのかつみ角川文庫
くますけと一緒に新潮文庫
星から来た船(上・中・下)
(星へ行く船シリーズ番外編)
集英社コバルト文庫
おしまいの日新潮文庫
わにわに物語講談社文庫

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