結晶した時間の画家

東京夢漂流


加藤洋之/後藤啓介
バンダイ

加藤さんと後藤さんの画集です。彼らは2人で1つの絵を描いています。
彼らの描く幻想的な女性の絵を見たことがある人も多いでしょう。
無機物と有機物の融合したような、独特の世界。
風、水、焔といった、流体が視覚化された世界。
まるで、澄み切った結晶のような世界。
その中に住む、謎めいた女性、そして猫たち。
一度御覧になることをお勧めします。

この「東京夢漂流」の中では、 「少年の青、少女の赤」という作品が気に入っています。
イラストだけでなく漫画も収録されていて、また違った感じを受けると思います。
いわゆる面白い「漫画」も存在しますが、 本のタイトルにもなっている「東京夢漂流」や「流音」などはまた異なり、 さまざまな感触を受けることでしょう。
良い意味での「ごった煮」が出来上がっています。

多分に詩的なところがあるので、その人の好みが分かれると思いますが、 本屋で見かけたら、一度手にとってみて下さい。
(とは言っても最近あまり見かけません。 ひょっとしたら絶版?多分大丈夫だとは思いますが。)
波長が合う人にとっては、大変魅力的な作家です。

その他の作品として

などがあります。

少なくともあと1冊、緑色の本があることを高校時代に確認はしているのですが、 当時の小遣いでは買えず、今になって探しても見つかっていません。
(哀しいことです…)

リストにあるVISIONS OF UNIVERSEは、何人かの作家の作品を集めたもので、 表紙と小品1点を二人が描いています。
昨年、個展が開かれ、そこで買い求めたものですが、 個展に行ってみると何とお二人がいらっしゃるではないですか。
そんなわけでこの表紙の裏には、サインペンで、 お二人の手による二匹の猫が笑っています。
いやーよかったよかった。

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